第29章 発表会

数か月という時は、指を鳴らす間にも過ぎていく。

だが帝京のテクノロジー界にとって、この数か月は――音もなく海面を押し上げた津波のようだった。

宮崎法律事務所と、業界屈指のテクノロジー企業が手を組んで立ち上げた「レックスAI」プロジェクト。横から現れたダークホースが、澱んで静かだった水面を一気にかき乱したのだ。

そして今日。

第一世代プロダクトのグローバル発表会。

バックステージの控室で、工藤花恋はメイク鏡の前に座り、映る自分を見つめていた。

相変わらず白い顔色。病に日々削られた痕跡が、そのまま肌に残っている。

どれほど高価なファンデーションを重ねても、透けるような病の色までは消...

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