第40章 愛するか、愛さないか

北村瑛太は再検査の報告書を一通り入念に確認し終えると、ようやく恩着せがましく退院許可書にサインした。

宮崎健は1階のロビーへ下り、退院手続きと精算の列に並ぶ。

工藤花恋は自分の服に着替え、簡素な荷物をひとりで提げたまま、ゆっくりとエレベーターへ向かった。

ナースステーションの前を通りかかった、そのときだった。

若い看護師たちが声を潜めて交わしていた噂話が、羽でも生えたみたいに、花恋の耳へまっすぐ飛び込んでくる。

「ねえ、さっき見た? VIP専用通路のほう歩いてたのって、三浦グループの三浦社長じゃない?」

「見た見た! やばい、本物、雑誌より百倍かっこよかったんだけど!」

「かっ...

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