第46章 彼女と徹夜した

トングを無造作にトレーへ放る。かちん、と澄んだ音が鳴った。

「林谷さん。今は昼休みです。私的な時間です」

「スマートシティの基盤論理アーキテクチャについてでしたら、三浦社長にお伝えください。午後1時30分の会議で、詳細にご説明します」

「ご用件があるなら、午後の会議で伺います」

工藤花恋の声音はどこまでも淡々としていた。だが、その奥には、はっきりとした距離と拒絶がある。

林谷岳は思わず声を潜めた。口調には懇願がにじむ。

「工藤さん、三浦社長が、至急だと……どうしてもすぐ来てほしいとおっしゃってるんです!」

「どうか私を困らせないでください。三浦社長のお気性は、工藤さんもご存じで...

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