第51章 ろくでもない女

その手の、引いて見せて相手を縛るようなぶりっ子台詞が耳に入った瞬間、工藤花恋は胸の奥で何度も冷笑した。吐き気すら込み上げる。

三浦央士は疲れたように眉間を揉む。

「ばあちゃんが帰れって言うなら、今すぐ帰れ」

「もう遅い。林谷さんに車を回させる。送ってもらえ」

岡田明菜は、三浦央士がここまで容赦なく追い返すとは思っていなかったのだろう。

悔しさを滲ませ、一歩踏み出して白い指を伸ばし、彼の袖を掴もうとする。

「央士兄、でも私……」

「もういい」

三浦央士はその手をすっと避ける。声色だけは、いかにも宥めるように整えて。

「欲しいものがあるなら、林谷さんに連れていってもらえ」

そ...

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