第127章 彼女は外に出る

「ここにいる……」

葉山立夏は口を開いたが、喉から絞り出されたのは、あまりに微弱な気音だけだった。

必死に這い上がろうとするも、両脚はまったく言うことを聞かない。身体ごと重い木製のドアに叩きつけられ、ドスンという鈍い音が響いた。

ドン! ドン! ドン!

ありったけの力を振り絞り、拳で扉を叩く。

指の関節が硬い木板に打ちつけられ、激痛が走るが、そんなことは構っていられなかった。

「蓮! 逃げて! 早く逃げて!」

声の限りに叫ぶが、その声は乾いて掠れきっており、分厚い扉を突き抜けることはない。

扉の向こうにいる葉山蓮には、その気配が届いたらしい。

「立夏! そこにいるのか!」

...

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