第143章 彼女は彼を笑っている

度重なる門前払いは、西園寺京夜を挫けさせるどころか、その瞳に宿る執着の炎をますます燃え上がらせていた。

確信がある。相手は意図的に自分を避けているのだ。

その夜、チェコ産業貿易省が主催するビジネスレセプションが、プラハ城で執り行われた。

最重要海外投資家である西園寺京夜は、当然ながら会場の注目の的となっていた。

彼はシャンパングラスを片手に、次々と挨拶に訪れる有象無象を気怠げにあしらいながら、鋭い視線を会場全体に走らせていた。

そこへ秘書が早足で近づき、声を潜めて報告する。

「社長、分かりました。『Aethel』の責任者は今夜来ています。ですが正面からは入らず、特別ルートを使った...

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