第185章 証拠と共に捕まる

イザベラがあの舞踏会であれほど派手な猿芝居を演じたのだ。本命の切り札が、あんな底の浅いものであるはずがない。

彼女は華奢な指先をキーボードの上で走らせ、コアラボの入退室記録とデータアクセスログを呼び出した。

ある名前で、指が止まる。

ハンス・ウィス。

西園寺京夜が巨額の資金を投じてシーメンスから引き抜いた、『アベンジャーズ』級の精鋭の一人。トップクラスのデータアーキテクトだ。

ここ数日、彼の働きぶりは目覚ましかった。『曙光3.0』実験データベースのメンテナンスを自ら買って出たのだ。

葉山立夏は彼のアクセスログを目で追う。午前二時、四時、五時……まるでラボに住み着いているかのようだ...

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