第221章 これは宝ではなく、天罰なり

「葉山家の家系図なんて、当事者以外には何の意味もないはずよ。あの権利書にしたって……確かにこの本邸には価値があるけれど、河名新一ほどの人間が、あくどい手段を使ってまで手に入れたがるようなものかしら」

 葉山立夏は、リンゴを剥く手をふと止めた。

 そう、なぜなのか。

 河名新一の報復が、単なる嫌がらせで終わるはずがない。

 家系図が象徴するのは一族の誉れ、そして権利書が意味するのは……礎だ。

 彼が根絶やしにしようとしているのは、葉山家という存在そのものの根幹。

 だが、その「根」とは、単にこの屋敷という建物を指すのだろうか。

 ふと、幼い頃に祖父から聞かされた話を思い出した。

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