第248章 やはり一足遅かった

鎌内雅樹は傍らに立ち、拳を白くなるほど握り締め、顔を青ざめさせていた。

よもや連中が、これほど卑劣な手段に打って出るとは思いもよらなかったのだ。

葉山立夏は、モニターに映る怯えきった母娘の姿を静かに見つめていた。

ふと、何年も前の記憶が蘇る。葉山蓮のために八方塞がりとなり、どうにもならなかったあの時の無力感。

彼女は自身の衛星電話を手に取り、ある番号へ発信した。

コール音は一度鳴っただけで繋がり、相手が応答する。

「私だ」葉山立夏の声は凪いだ水面のように平坦だった。「『ナイチンゲール』プランを起動して。ターゲットは首都。住所と写真は暗号化して送るわ。女性と、若い娘が一人ずつ。彼女...

ログインして続きを読む