第254章 これは罠だ

着信画面に「鎌内雅樹」の文字が見えた。そのまま切ってやろうかと思ったが、何かに憑かれたように通話ボタンを押し、ミュートにした。

「西園寺社長! 助けてください!」鎌内雅樹の声は極限まで押し殺されていたが、火のついたような焦りが滲み出ていた。「葉山社長が正気を失いました! 俺たちを全員追い出して、自分一人でコア実験エリアに残って、あの危険な放射線実験をやろうとしてるんです!」

「あの機械のエネルギー数値、ジェットコースターみたいに不安定で! 早く来て、社長を止めてくださいよ!」

西園寺京夜の顔から、瞬時に笑みが消え失せた。

会議室では、欧州支社の責任者が四半期の収益について滔々と報告を...

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