チャプター 1
テッサ視点
私はシングルベッドの上で緊張に身を固くし、時折、部屋の向こうですやすやと眠るエリンの方をちらりと見た。外では湿気を帯びた嵐が窓を激しく打ち付けているが、彼女がそこにいてくれるだけで、心細さがいくぶん紛れる気がした。
少なくとも、この地獄のような嵐の夜に、一人きりではないのだから……。
再び窓の方へ視線を戻すと、闇夜を切り裂くように新たな雷鳴が轟いた。こんな夜に外へ放り出されたらどうなってしまうのか――想像しただけで、背筋が寒くなる。
こういう時、私はいつも自分に言い聞かせるのだ。降伏し、獣たちの新たな法に従うという母の決断がいかにありがたかったか、と。もしそうでなければ、あの激変する過酷な気象条件の下、私たちは一晩たりとも生き延びることはできなかっただろう。
荒野に打ち捨てられ、朽ち果てていたに違いない。自力で生き延びようともがくか、あるいは反逆者として捕らえられ殺されるか――そのどちらも、私たちには耐え難い結末だったはずだ。
当時まだ十二歳だった私を抱えた母は、悟っていたのだ。おとなしく投降し、戦争における単純明快な真実を受け入れる以外に道はないと……つまり、彼らの勝利という真実を。
あの獣たちには、到底勝ち目などなかったのだ。
知能においてだけでなく、何よりもその圧倒的な支配力と、人間とは比較にならない身体能力において。実のところ、開戦当初から私たちの敗北は運命づけられていたのだ――それは、誰の目にも明らかなことだった。
それは人間自身が招いた運命だった。かつて私たちは、人狼たちと長年にわたり共存していたのだから。だが、人類の強欲が理性を飲み込み、彼らに対して決して越えてはならない一線を越えてしまったとき、すべてが変わった……。
指導者たちの間で事態は悪化の一途をたどり、気づいたときにはもう手遅れだった。獣たちは全力で牙を剥き、敢えて刃向かおうとした数千もの人間を瞬く間に虐殺したのだ。
だが、母は賢明だった。生き延びるために何をすべきか、よく分かっていたのだ……たとえそれが、狼たちに完全なる服従を誓うことであったとしても。
しかし、狼が支配者となったことには、一つだけ利点があったかもしれない。それは、私たちが生きるために彼らを必要とするのと同じくらい――いや、それ以上に――彼らもまた、私たちを必要としているということだ。長年猛威を振るった致死性ウイルスのせいで、彼らの雌は絶滅寸前の状態にある。種を存続させるために彼らに残された道は、ただ一つ。
それは、私たち人間とつがいになり、子を成すことだった！
私たちにとって幸運だったのは、ある噂の存在だ。おとなしく従順に振る舞いさえすれば、雄狼との生活は素晴らしいものになるという。生きている限り、莫大な富と保護、そして何不自由ない快適な暮らしが約束されるのだ。
だが、その言葉の核心は「従順であれば」という条件付きであることだ――それこそが、私たちの運命を分ける鍵となる。
狼たちが気難しく、ほんの些細な過ちで激昂することは周知の事実だった。もし雄狼たちの機嫌を損ねるような真似をすれば、おそらく次の日の朝日を拝むことはできないだろう……。
ここ「キャンパス」で教え込まれたのは、まさにその一点に尽きる。行儀良く協力的であれば、豊かな生活が待っている。だが、反抗的で非協力的であれば、待っているのは死か、あるいはどの女性も耐えられないような凄惨な虐待か。そのどちらかでしかないのだ。
幼い頃から、私たちはそう言い聞かせられて育った。私の知る限り、彼らを満足させているうちは、彼らは公平な生き物だということ。だから私は、その言葉を信じて前向きな気持ちを保とうと努めてきた。
それこそが、このキャンパスが存在する理由なのだ。パートナーとの生活に移る前に、人間として可能な限り私たちを教育し、準備を整えさせること。
私はここで5年間を過ごし、自分自身の「審判の日」に向けて学び、備えてきた。その運命の時は今や急速に近づいており、明日以降、オスたちの都合の良い日ならいつでも訪れる可能性があるのだ！
けれど、ベッドで眠る親友のエリンに目をやると、悲しい気持ちがこみ上げてくる。同じ地区（セクター）のオスたちに選ばれない限り、私たちは引き離され、二度と会えなくなる可能性が高いのだから……。
エリンはここでの私の心の支えだった。このキャンパスにいる他の女たちの多くは意地が悪く、時には残酷なことさえあったけれど、彼女だけは唯一、私にとって誠実な友人であり続けてくれた。
エリンなしで、あるいはママなしで、国のどこか別の場所で暮らすなんて、私にはどうしても想像できなかった。
二人と離れることになれば、たまらなく寂しくなるだろう……。
明日からシーズンが始まると、オスたちは国中を旅して回り、各キャンパスに収容されている適格な人間たち（つまり、17歳か18歳以上で、まだ独身であり、つがいになる準備ができている者たち）を視察することになっている。
独身の獣たちは毎年集団で旅をする。彼らは自分たちの「パック（群れ）」で行動を共にし、地域から地域へと移動しながら、生涯のパートナーとして望む条件をすべて満たす人間――選ばれし者を探し求めるのだ。
彼らが支配する前、私が子供だった頃は、いつも私とママの二人きりだった。私たちは狼たちの存在を知ってはいたけれど……彼らとは距離を置き、敬意を払うように心がけていた。
これまでのところ、ここにいる間も私たちはあまり多くのオスたちに遭遇することはなかった。以前の審判の日に彼らがやって来たとき、通りすがりに見かける程度だった。その頃の私たちはまだ幼すぎて、儀式に参加できなかったからだ。
私は、このキャンパスでの生活をそれほど悪くは思っていなかった。ここに来ることの良い点は、2週間ごとにママに面会できることだったから。
私たちが問題なく降伏すれば、私が選ばれる最後の日まで彼女と連絡を取り合うことが許される、という協定があった。そして長年にわたり、彼らはその約束を守ってくれている。
当初、ママはつがいになるには年を取りすぎていると判断され、近くのパックタウンで働くことになった。
現在、彼女は車で1時間弱の場所にあるカフェで働いている。オーナーは親切な人で、ママにはそこでの毎日を楽しくしてくれる友人たちもいるそうだ。家具付きの小さなアパートも与えられ、仕事の給料も定期的に支払われているという。
ママは、私たちが彼らのルールに従い、彼らのやり方に従順である限り、獣たちが実際に私たちに対して公平であるということの生き証人だった。
どうやら、私がオスに選ばれたときはいつでも、彼らは私の家族（私にとってはママだけだけれど）に金を支払う義務があるらしい。それは私たちの奉仕への感謝であり、私が不在の間、彼女が十分に世話されることを保証するためのものだそうだ。
その結果、母さんが私に二度と会える保証はどこにもない……そう考えるだけで、胸が張り裂けそうになる。
「テッサ？ なんでまだ起きてるの？ 明日は早いのに……」
振り向くと、エリンが肘を立てて身を起こそうとしているところだった。彼女の目は半開きで、まだ寝ぼけている。
エリンも私と同じ一人っ子で、何年も前の戦争で家族を失うという不運に見舞われていた。その代わり、エリンは定期的に行われる私の母との面会にいつも同席し、母も彼女をまるで自分の娘のように扱ってくれたのだ。
両親のいないエリンはここの職員に引き取られ、生き延びる可能性を最大限にするために、この施設で育てられた。そして幸運なことに、私たちは初日からずっとルームメイトなのだ！
「嵐のせいで……うとうとするたびに、目が覚めちゃうの」
私は不満をもらした。エリンが濡れた窓に視線を向ける。外では風が激しく唸りを上げ、木々が揺れ、細い枝が折れる音が響いていた。
「ああ、そう……全然聞こえなかったわ……」
エリンは軽く鼻を鳴らしながら首を振る。その様子がおかしくて、私は思わずくすくすと笑ってしまった。
長年ルームメイトをしている私だから断言できるが、彼女は一度眠るとめったなことでは起きないタイプだ。よく寝言を言うし、たまに夢遊病のように歩き回ることさえある……。
だが、この自分ではどうにもできない癖について、私たちはいつも心配していた。いつか彼女が、あてがわれた男性に選ばれる日のことを考えて。
彼はそれを嫌がるだろうか？ それとも、彼女の一部として理解してくれるだろうか？ 私たちは話し合い、彼女に興味を持った男性には最初から伝えておくのがベストだという結論に達していた。そうすれば、それが癇に障るかどうか彼らが判断できるし、後になって彼女が罰せられるのを避けられるからだ……。
「寝なきゃだめよ、テッサ！ いつ『彼ら』が来るかわからないんだから。その時になって目の下にクマなんて作ってたくないでしょ！」
エリンは冗談めかして言い、また一つあくびをした……。
だが、私が言い返す間もなく、寝室のドアの上に設置された恐ろしいオレンジ色のライトが明滅し始めた――そしてすぐに、あの聞き慣れたサイレンの轟音が続いた。
「嘘でしょ、今！？」
エリンが大声でうめく。私は目を見開き、相変わらず嵐が吹き荒れる窓を振り返った。
私は弾かれたように立ち上がった。エリンも同じだ。この天候に耐えられる暖かい服と適切な靴を身につける時間は、そう残されていないと分かっていたからだ……。
避難警報だ――こんな状況下では誰もが鳴ってほしくないと願う警報だが、彼らが私たちにこんな仕打ちをするのは、これが初めてではなかった！
「なんでまたなのよ！？」
エリンがパニック状態でつぶやく。私たちはネズミのように部屋中を駆け回り、着るべき服を探した。
「急いで、エリン！ 素早く外に出ないとどうなるか知ってるでしょ！」
私は彼女を急かしながら、大きめのパーカーとジョガーパンツを引っ張り上げた。エリンもようやく羽織るジャケットを見つけたようだ。
前回警報が鳴った時、寄宿舎から出るのに時間がかかりすぎたせいで、五人の少女が処罰されたのだから……。
本来なら、着替えたり暖かい服を探したりして時間を無駄にしてはいけないことになっていた。その代わり、そのままの格好で出ることを求められていたのだ。だが、寒さを凌ぎ、外でインフルエンザにかかるのを避けるため、誰一人としてその規則を馬鹿正直に守る者はいなかった！
それどころか、誰もが靴や服を探そうと大急ぎで動き回り、結果として階下に降りて外の整列に間に合うための時間が削られてしまうのだった。
「よし、準備できた！」
エリンがそう言うやいなや、私は彼女の手を強く握り、騒然とする廊下へと駆け出した。
この建物にいるのは、十七歳から十八歳の少女ばかり。つまり全員が今や、獣の男たちによって『番（つがい）』として選ばれる資格を持っているということだ。
この警報にはこれまで何度も対処してきた。回を重ねるごとに職員たちの態度は厳しくなるばかりで、それは単に自分たちの威厳を誇示し、誰一人として列を乱さないようにするためのものだった。
それは、誰が支配者であるかを思い出させるための、単なる儀式に過ぎなかった……。
「痛っ！」
突然エリンが叫び声を上げ、私の手をぐいと引っ張った。背の高い少女が容赦なく道を押し通り、エリンを床に突き飛ばしたのだ。
私は心拍数を上げながら彼女を引き起こし、建物から出る人の流れに遅れないように気を配った。ここでの目的は、群衆の中に紛れ込み、目立たないようにすることだ。
「なんで今夜に限ってこんなことするのよ！」
エリンが不満を漏らす。私は彼女の愚痴に無言で同意し、首を横に振った。
指定された集合場所へと先を争う少女たちの波に加わると、混乱はさらに激しさを増した。
懐中電灯の光が廊下を走査し、事態の緊急性を強調している（もっとも、私の勘では実際にはそれほど緊急ではなく、たいていはくだらない避難訓練に過ぎないのだが）。それでも私たちは従うしかない。
屋外の集合場所にたどり着くと、冷たい風が空気を切り裂くように吹き抜けた。私たちは暖を求めて身を寄せ合ったが、やがて激しい雨が降り始め、全身を濡らしていった。
オレンジ色の非常灯が、周囲の緊張した顔に不気味な影を落としている。権威を象徴する（そして暖かそうな）制服に身を包んだ職員たちが、全員がいるか確認しながら、各学年の名簿にチェックを入れ始めた。
やがて、厳格な雰囲気を漂わせる女校長が進み出た。彼女の声は緊急用スピーカーで増幅されている。
「候補生の皆さん、注目。予期せぬ事態により、今夜の避難は予防措置として行われています。明日、非常に重要な『群れ（パック）』が到着するのを前に、全員が揃っているかを確認するためです。落ち着いて指示に従ってください。点呼が終わり次第、すぐに中に戻れるでしょう！」
彼女はぶっきらぼうにそう言い放つと、私たちを一瞥した。
「重要な群れが来るって？ どうりでいつもよりピリピリしてるわけだ……どこの群れなんだろう！」
隣でエリンが呟き、私も同意して頷いた。
「ここにいて、『暁の法』の下で暮らせることがどれほど幸運なことか、よく思い出しなさい。もし私たちの新たな指導者たちがいなければ、あなたたちは皆、行き場もなくこの嵐の中に取り残されていたのですよ！」
フェリシティ夫人がそう続ける間も、職員たちは駆け回り、名簿の確認を続けていた。
つまり、決まりだということか……。
明日は、私の残りの人生の始まりになるかもしれない……良くも悪くも！
