チャプター 20

テッサ視点

薄暗いオフィスに足を踏み入れた瞬間、セスとアンソニーは間髪入れずに背後のドアを閉めた。まるでライオンの巣窟に私を閉じ込めるかのように、彼らには迷いなど微塵もない。

まず目に入ったのは、すべての窓に引かれた床まで届く大きなカーテンだ。窓の上部から、わずかな陽の光が漏れ出ているに過ぎない。

散乱した室内を見渡すと、本や仕事道具が床一面に散らばっているのが見えた。そして視線は、明らかにひっくり返されたであろう仕事机へと向かう。

どこから手をつければいいのかわからず、小さく一歩踏み出したその時、部屋の隅にあるソファチェアから響く低い男の声に体が強張った。

「こ...

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