第189章

注射器を紙で包み、車のシートに置いてから、変装した私立探偵に視線を向けた。

「あなたも大したものね。よく見破られなかったわ」

探偵は少し得意げに笑った。

「当然ですよ。俺はベテランですからね。変装は立派な職業スキルってやつです」

そう言いながら、彼は助手席の男を顎で示した。

「今回はこの相棒にも感謝しなきゃなりません。こいつの助けがなけりゃ、こうも上手くはいかなかったでしょうから」

私は薄く微笑んだ。

「本当にご苦労様。後で、今回の報酬は全額清算するわ」

「でも、一つだけ肝に銘じておいて。何を話し、何を黙っておくべきかということを」

「そいつは当然です」

探偵は手慣れた様...

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