第246章

車に戻るや否や、運転席の坂東が声をかけてきた。

「立花さん、先ほど金田輝真から連絡がありました。役員たちが会議の再開を急かしているとのことです」

立花謙一はすでにいつもの冷淡な表情に戻っていた。

「放っておけ。まずは湖湾別荘へ向かう」

「駄目よ」

私は慌てて遮った。

「役員の人たちが待っているなら、先に立花グループへ行って。これ以上、彼らにあなたを責める隙を与えちゃ駄目」

立花謙一の瞳がふっと深みを帯びる。

「わかった。紗夜の言う通りにしよう」

その言葉を聞くのは初めてではないのに、どうしても顔が熱くなり、胸が高鳴ってしまう。

立花謙一のこういうところがずるい。

私では...

ログインして続きを読む