第263章

「マスターバロー! よくぞお越しくださいました!」

先ほどまで高圧的な態度を取っていた責任者が、来訪者の顔を見た途端、へつらうような愛想笑いを浮かべた。

「『女王』だわ!」

誰かが息を呑むように叫んだ。

私はその白髪交じりの、しかし優雅で気品に満ちた女性を見つめ、心の中で激しい波が立つのを抑えきれずにいた。

彼女こそ、「バレエの女王」と呼ばれるマスターバロー。

ヴァルナ国際バレエコンクールの初代優勝者であり、現在に至るまで最も影響力を持つバレエアーティスト。

そして、私が一生をかけて到達したいと願う、憧れの存在だった。

「今回の決勝にはシークレットゲストが来るとは聞いていたけ...

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