第266章

坂東が同席していることに気づいたのか、周防春香の強張った表情が少し和らいだ。

私は遠回しな言い方を避け、単刀直入に切り出した。

「さっきホテルに戻ったとき、周防幹也くんが一人で噴水池の縁に座っているのを見かけたわ。まだ三歳だし、池の水もそれなりに深いから、あのままじゃ少し危ないと思う。連れ戻したほうがいいわよ」

周防幹也のことは好きではないが、だからといって三歳の子供が危険に晒されているのを黙って見過ごすことはできなかった。

私の言葉を聞くと、周防春香は部屋のドアに寄りかかった。

その目には、微かな侮蔑の色が浮かんでいる。

「幹也はホテルの中が退屈で、少し外に出たがっていたの。私...

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