第285章

「どうやら、お邪魔だったみたいね」

周防春香はにこやかに声を上げた。その口調は、まるで久しぶりに会った友人に挨拶するかのように平淡だった。

だが、私は彼女の友人ではない。

「周防春香、私と周防先輩をこんなところに連れ込んで、一体何が目的なの!」

「別に大したことじゃないわ。ただ……」周防春香は私の目の前で立ち止まり、私と周防玉輝を交互に見比べてから、笑みを浮かべた。「あなたには周防玉輝と一緒になってもらって、謙一を私に返してほしいのよ」

私は冷たい声で言い放った。「立花謙一はモノじゃないわ。私に彼を譲る権利なんてないし、あなたにもない」

周防春香の笑みが薄れた。「それって、私を拒...

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