チャプター 112

オードリー視点

「オードリー、久しぶりだな」

聞き覚えのあるかすれた声に、心臓が跳ねた。「ジャスパー?」

「ああ、俺だよ」面白がるような響きを含んだ声で、彼が答えた。

「そっちはどうだ? 元気にやってるか?」

「まあまあよ。いろいろ考えれば、悪くはないわ」私は軽く答えた。

「でも、あなたからこんなふうに突然電話してくるなんて珍しい。何かあったの?」

「心配するな」彼はすぐに私を安心させた。「実はいい知らせなんだ。研究が大きく進展した」

一筋の希望が胸に灯った。

「本当?」声から興奮を隠せなかった。「すごいじゃない」

声が感極まって和らいだ。「あなたとエマの頑張りには、感謝してもしきれな...

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