第123章

オードリー視点

イーサンがデイジーを部屋から引きずり出すようにして連れ出していくのを、私は見ていた。彼の顔は、抑えつけられた怒りで能面のようだった。

ドアが彼らの後ろで閉まる。

気まずい沈黙が部屋に満ちた。

私たちはドロシーからの電話を受けて、すぐに駆けつけたのだ。

ドロシー・ソーントンがキャスパーの方を向いた。その優雅な顔立ちには、かすかな非難の色が浮かんでいる。

「キャスパー、まったく。あなた、あの子にはっきり脈がないと伝えるべきだったのよ。その結果がこれよ――ここに現れて、私に口添えを頼もうとするなんて」

彼女は首を振り、銀の筋の入った髪が光を捉えた。

私はどう返事をすればいいのかわか...

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