第十五章

キャスパー視点:

コール夫妻との昼食は、予想以上に疲れるものだった。

オードリーを乗せてロングアイランドへ戻る車中、俺は思わず、午後の遅い日差しに照らされた彼女の横顔に目をやった。

彼女は物思いに沈んでいるようで、その指は心ここにあらずといった様子で、俺たちの間のレザーシートに模様を描いていた。

「うまくやったな」沈黙を破り、俺は言った。

「コール夫妻も、君に会えて心から喜んでいるようだった」

オードリーは小さく微笑んで俺の方を向いた。「ええ……いい人たちだったわ」

俺は注意深く彼女を観察した。

「もっと彼らと親しくなろうと考えているのか?」

彼女の肩がわずかにこわばった。「いいえ。礼儀とし...

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