チャプター 21

キャスパー視点:

「映像を送れ」

革張りのアームレストを指でいらだたしげに叩きながら、俺は命じた。

電話のスピーカーから、ジェームズの声が割れるように聞こえてくる。「サー、その件ですが……監視カメラの映像は七日間しか保存されないことになっておりまして。お客様が滞在されていた期間の記録は、すでに自動で削除されております」

俺は奥歯を噛みしめた。「なら復元しろ!」

「すでにIT部門には連絡済みです」ジェームズは慌てて答えた。「データ復旧に取り組んでいますが、時間がかかるとのことです」

俺の頬の筋肉がぴくりと引きつった。

ロンドンでのあの夜、何者かが俺のホテルの部屋に大胆にも侵入し、あの...

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