チャプター 24

キャスパー視点:

翌朝、俺が玄関ホールに行くと、ノアはすでに出かける支度を済ませて待っていた。その小さな手には、明らかにオードリーへのプレゼントであろう絵と、手作りのグリーティングカードが握りしめられている。

期待に目を輝かせ、早く行きたくてたまらない様子だ。

俺は自分の空っぽの手を見下ろし、ふと何かが足りないと感じた。

三十分後、俺はシンプルながらも気品のある白いチューリップの花束を抱え、ノアの小さな手を引いて病院のロビーに足を踏み入れた。

廊下を歩き、病棟エリアへ曲がろうとしたその時、ノアが突然立ち止まった。その視線は、病院のカフェテリアに釘付けになっている。

視線の先を追うと、オード...

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