第28章

食事を終えると、天野風希がごく自然にたずねた。

「このあと、どこ行くの?」

林田朔夜は口元をぬぐう。

「霊園。お婆さんと、父さんに会いに行く」

「じゃあ、俺も一緒に行くよ」

天野風希は笑った。子どものころと同じ、柔らかくて当たり前みたいな笑み。

「何年も帰ってないんだし、俺も挨拶しときたい」

林田朔夜はしばらく黙ってから、小さくうなずいた。

霊園。

林田朔夜は白菊を、祖母と父の墓前にそっと置く。天野風希も少し後ろに付き、供え物の入った袋を提げていた。

墓石は、昔のまま。

朔夜がしゃがみ込み、線香と蝋燭に火を点ける。青い煙が、ゆらゆらと天へほどけていった。

「お婆さん、...

ログインして続きを読む