【第31章】

会議室は、針の落ちる音さえ聞こえそうな静けさに沈んだ。

木下社長は頬をひくつかせ、なんとか笑みを貼りつける。

「林田補佐、君はまだこの業界のアルゴリズムを十分ご存じないかもしれない。データというのは……」

「計算しました」

林田朔夜が、容赦なく言葉を切った。

「このプロジェクト、前四半期のコスト構造まで目を通してます」

そして淡々と続ける。

「あなたの申告した売上なら、ROIは最低でも7%は出るはずです。純利益は、少なくとも4,000万」

一拍。

「ほぼ倍、足りない。コストの水増しか、売上の粉飾か。木下社長、どっちです?」

木下社長の笑顔が、完全に崩れた。

「林田補佐!...

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