【第32章】
翌朝、林田朔夜は暑さで目を覚ました。
まるで熊にでも抱き締められているみたいに、息が詰まるほど身動きが取れない。
目を開けると、いつの間にか藤原承弦が彼女の布団に潜り込んでいた。腕は腰に回され、脚は彼女の脚に絡みつき、全身ですっぽり包み込まれている。
身じろぎした途端、頭の上から藤原承弦の声が落ちてきた。
「起きたか?」
掠れた声だった。
林田朔夜が顔を上げると、真正面からぶつかったのは、いやに甘く深い眼差し。
「離して」
「暑いの」
そう言っても、藤原承弦は手を緩めない。むしろ少しだけ抱く力を強め、顎を彼女の頭頂に擦り寄せた。
「まだ早い。もう少し寝ろ」
「SDの人た...
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