第41章
一同に、はっとして振り返った。
扉口の光の中を、金髪の男性が車椅子を押しながら、ゆっくりと入ってくる。
その車椅子に座っていたのは、銀髪の老婦人だった。
装いはあくまで控えめ。肩には深紅のカシミヤストールをふわりと掛け、佇まいは静かで、気品に満ちている。
顔には深い皺が刻まれていたが、その双眸だけは息を呑むほど冴え冴えとしていた。ゆるやかに会場を見渡し、そこにいる全員をひとりずつ射抜いていく。
昼間、厨房で粥を口にしていた――あの老婦人だ。
林田朔夜は、思わず息を詰めた。
瀬戸淑枝も彼女を見たが、藤原家にこのような旧知がいた記憶はないらしい。
ざわ……と、人垣のあちこちで囁き...
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