第48章

オークション会場で、雨宮淑は何度か札を上げて宝飾品を落札したが、どれもどこか興味が薄い様子だった。

だが――真珠のセットが展示された瞬間だけ、表情が変わった。

満足げに目を細め、札を上げる回数も増える。競り合いの末、彼女はその一式を2億で落札した。

その一連をずっと観察していた宮本奏夢は、すかさず雨宮淑のほうへ身を寄せる。

「雨宮おばあさま、さすが見る目がありますね」

甘い笑みを浮かべ、ぱちりと瞬きをした。

「その真珠、ちょうど私が出品したものなんです。初めてのご挨拶のしるしに、差し上げてもいいですか?」

雨宮淑は微笑みを携えたまま彼女を見返し、けれどゆっくり首を横に振った。

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