第8章

林田朔夜は顎をつかまれ、じわりと痛みが走った。

だが、それ以上に痛かったのは胸の奥だ。さっきまで、うまく説明できた高揚で熱を帯びていた心が、みるみる冷えていく。

残ったのは、疲労だけ。

——滑稽だ。

彼の中で自分は、籠の中の小鳥。どれだけ光ったところで、男の手で持ち上げられなければ意味がない。

もう抵抗する気力すら湧かない。朔夜は鼻で笑って、乾いた声を落とした。

「藤原社長がそう言うなら、そうなんでしょうね」

藤原承弦の目をまっすぐ見返し、淡々と告げる。

「手を離してください。……私たちの関係は、もう終わったはずです」

その平静さが、どんな反論より藤原承弦の神経を逆なでした...

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