第11章

村田良美は一瞬きょとんとした。「……何ですって?」

「お引き取りください」

店員が片手を上げて制した。「でないと、警備を呼びます」

「私が誰だか分かってるの?」村田良美は顔を真っ青にして、バッグから会員カードを抜き取り、目の前に叩きつけた。

「鈴木家の奥様よ。ここだって常連なんだから!」

「どのようなお立場でも、店内での騒ぎはお断りしております。お客様への暴言は、茶を楽しまれている方々のご迷惑です」

店員は余計な視線ひとつ寄こさない。「こちらへ」

言い終えるより早く、警備員が二人、音もなく村田良美の左右に並んだ。

村田良美は怒りに任せて米崎梨央を指さす。「この女の威を借りて偉...

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