第12章

鈴木明哲は薄く笑った。

すぐに周囲を見回し、声を落として釘を刺す。

「あんまり騒ぐなよ。今日ここに来てるのは、大物ばっかだ」

光が眉を跳ね上げ、鼻で嗤う。

「冗談でしょ? あいつらの財力で藍心蓮を買うつもり? ボス、安心して。誰もあんたに勝てないよ」

米崎梨央は競売リストを気だるげに繰りながら、父娘に視線すらくれなかった。

やがて、オークションが始まる。

藍心蓮は、最後の目玉として登場した。

梨央は散っていた意識を、すっと壇上へ戻す。

司会者が告げる。

「藍心蓮。開始価格は500万」

梨央は即座にボタンを押した。1号室のスピーカーから声が響く。

「1000万」

間髪...

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