第15章
早宮の老爺は、鈴木朱音がその言葉を聞いてどう思うかなどお構いなしに、舌打ちめいた「チッ、チッ」を二つ落として、手を背に回したまま踵を返し、そのまま立ち去った。
朱音は胸の奥で怒りと憎しみが渦巻くのに、ただ呆然と、老爺の背中が遠ざかっていくのを見送るしかない。言いようのない息苦しさが、喉元までせり上がってくる。
堪えきれず、彼女は米崎梨央を睨みつけ、声を跳ね上げた。
「梨央、なんで早宮家に先に一言も言っておかなかったの? それとも新村さんとのこと、あんたが言ってたみたいに本当は『もうすぐ』でも何でもないってこと?」
「新村家のほう、何の話も出てないじゃない。勘違いして舞い上がってただけ...
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