第16章

新村慎之介の冷ややかな視線が、林原ルルに落ちた。

林原ルルは怯えながらも、必死に平静を装い、むしろ正義はこちらだと言わんばかりに胸を張る。

「どうしたの? 怖くてできないの、米崎梨央?」

米崎梨央が鼻で笑う。

「何が怖いっていうの」

そして顎を少し上げた。

「今日は何があっても、あんたに謝ってもらう」

米崎梨央はスマホを取り出し、その場で電話をかけた。

発信画面に表示された番号を見た瞬間、林原ルルの瞳がきゅっと縮む。信じられない、とでも言いたげに目を見開いた。

――まさか。

米崎梨央がかけた相手は、林原ルルの師である飛雲大師の番号だった。

ありえない。どうして彼女が、そ...

ログインして続きを読む