第19章

米崎梨央は言い終えると、米崎琥太郎の反応をじっと見据えた。

米崎琥太郎は視線をわずかに泳がせ、無意識に湯呑みを握りしめる。

「……それ、聞いてどうするんだ?」

その仕草を見た瞬間、梨央の胸の奥がすうっと沈んだ。

本来なら、あの名簿は新村慎之介がでっち上げたもの――こちらの興味を煽るか、あるいは夜に新村家へ忍び込んだかどうかを探るための罠。そう考えていた。

だからこそ願っていたのだ。米崎琥太郎の名が載っていたのは、ただの行き違いなのだと。

だが今の反応が、はっきり告げている。

――父は、新村慎之介と何らかの取引をしている。

梨央は水を一口含み、平坦な声で言った。

「ただ聞いて...

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