第21章

米崎梨央がそう考えているうちに、鈴木家の年配の男は、すでに遺言書の内容を読み上げていた。

『鈴木家の全財産、および鈴木グループの保有株式は、長男・鈴木明哲に相続させる』

読み終えると、男は遺言書を閉じた。

『以上です』

米崎梨央は、ぴたりと動きを止めた。

鈴木明哲は目の縁を赤くして、深いため息を落とすと、進み出て恭しく両手で遺言書を受け取った。

『父には息子は私ひとりです。名義上の資産も、会社の株式も、私に残すのが当然でしょう。父は一代で鈴木グループを築き、ここまで大きくしました。唯一の息子である私が、決してこの会社を衰えさせたりはしません』

『父が遺した企業を、必ず立派に守り...

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