第31章

米崎梨央の言葉が落ちた瞬間、廊下はすっと静まり返った。

集まっていた全員の視線が、いっせいに彼女へ注がれる。疑いと動揺が入り混じった目。

島崎静香の顔色は、みるみるうちに曇った。反射的に半歩引き、眉をきつく寄せる。

『米崎さん。自分の疑いを晴らしたいからって、適当なこと言って他人を陥れないでください。ここにいる人たちは皆、新村家の本家の人間です。誰も、おばあさまにそんなことするはずがない。毒だなんて言うなら――証拠は?』

『証拠はないよ』

米崎梨央は静香の言葉を遮り、眉を軽く持ち上げた。

『でも、証明する方法ならある。聞く?』

新村奥さんが二歩、前へ出る。米崎梨央を値踏みするよ...

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