第55章

泉井晴子は一瞬きょとんとし、次の瞬間には目を見開いて息を呑んだ。

『もちろん、あなたのご両親に決まってるでしょ! ほかに誰がいるのよ。あの方たち、スミコグループの会長と奥さまなんだから。面子を潰せるわけないじゃない!』

『……何て?』米崎梨央は聞き間違いを疑い、思わず聞き返した。『スミコグループ? うちの両親が……スミコグループの会長と奥さま?』

当人がまるで事情を知らず、心底意外そうにしているのを見て、数人は顔を見合わせた。――言ってはいけないことを言った、とでもいうように。

泉井晴子が慌てて取り繕う。

『え? 私、そんなこと言った? えっと、その……』

そこへ光が一歩進み出て...

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