第161章 彼は気にかけている

ほら、男ってこういうものだ。

一夜を共にすれば、「まだ怒ってるのか?」などと聞いてくる。まるで、もう何の感情も残っているべきではないとでも言うかのように。

「怒ってない」莉緒は彼の腕の中で身じろぎした。「離して。もう出るから」

遥人は彼女の身体をこちらに向かせ、その冷めた瞳をじっと見つめた。「帰ったら、お母さんに会わせてくれ」

莉緒は息を呑んだ。

「結婚して一年以上経つんだ。一度くらい挨拶に行くべきだ」遥人はこの件に関して、確かに罪悪感と申し訳なさを抱いていた。莉緒の立場からすれば、自分は最低だ。彼女の家庭状況すら把握していなかったのだから、夫失格だ。

莉緒の抵抗が少し弱まる。「ま...

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