第168章 彼らはホテルにいる

加賀は遥人の機嫌が良いことを察し、さらに尋ねた。「中条グループの件、結果は出ましたか?」

「投資していい」

加賀の張り詰めていた心が、ようやく安堵に包まれた。

彼は笑って言った。「今決めたんですか? それとも前から決めていたんですか?」

「不満か」遥人は問い返した。

加賀は慌てて否定する。「大満足です。ありがとうございます」

「正臣の窮地を救ったとしても、中条社長の従妹は君のものにはならない」

「……」加賀は言葉に詰まり、胸が締め付けられるような苦しさを覚えた。

彼はまさに、自分が良くなっても他人の幸せを許さない典型だった。

電話を切った後、加賀はやり場のない鬱憤を抱えていた...

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