第181章 何もなければ床までの窓を送る

「綾子と莉緒、どっちを選ぶの?」

仮定の質問だ。遥人が彼女に答えるはずもない。

知世は焦りを募らせた。「ただ、この答えが知りたいの。そうすれば、もう二度とあなたの前に現れないから」

「俺は今しか見ない」

知世は一瞬呆然とし、すぐに寂しげに頷いた。「……わかったわ」

彼女が一体何をわかったのか、遥人には知る由もなかったし、どうでもいいことだった。

「あなたと莉緒さんの邪魔をしてごめんなさい。安心して、もう二度とあなたに付きまとったりしないから」知世は部屋を出ていく。彼女は遥人を見つめ、その顔をじっくりと目に焼き付けるように見つめていた。

長年、心から焦がれてきた男性は、結局、自分の...

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