第240章 私はあなたのように冷酷にはなれない

誰もが、鈴木莉緒が白石知世の死亡事件に関わることになるとは思っていなかった。

浅野静香は、警察が鈴木莉緒を連行していくのをただ呆然と見送るしかなかった。慌てて沖田譲に電話をかけ、事の次第を伝えて何とかしてほしいと頼み込んだ。

電話を受けた沖田譲は、革張りの椅子に座る男に視線を向けた。

男は大きな病から回復したばかりで、顔色が悪く、唇も微かに白んでいて、ひどく弱々しく見えた。しかし、その仕事のやり方は以前にも増して苛烈になっていた。

沖田譲は、鈴木莉緒が警察に連行されたことを彼に伝えるべきか躊躇していた。

二人の関係があれほどまでにこじれてしまったことを考えると、話したところで何の意味...

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