第399章 とにかく、私はあなたの退路だ

もはや森遥人を愛しているという自覚は、鈴木莉緒にはなかった。

ただ、森遥人と一緒にいた時間が相対的に長く、感情のない二人があまりに長く縺れ合っていたために、無意識のうちに彼を思い出してしまうだけのことだ。

結婚していた相手はおろか、一度付き合っただけの相手であっても、そう簡単に心から切り離せるものではない。

過程や結果がどうあれ、かつて自分の人生に登場した人間である以上、どうしようもないことだし、その存在を否定する必要もない。

城海斗はそれ以上、問い詰めてこなかった。どのみち、彼の態度は明確だったからだ。

「万が一、いつか俺のことを頼れる男だと思ってくれて、結婚してもいいって気になっ...

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