第427章 技巧なし、全ては感情

鈴木莉緒の風邪は完治した。

彼女は店に顔を出すと、城海斗と少しの間ビデオ通話を楽しみ、わざとらしくフクの姿をカメラに映して見せた。

「まだ戻ってこないのか?」笹川久志もカメラに顔を寄せて城海斗に尋ねた。

城海斗は困った顔をする。

「笹川さん、俺の心はとっくに姉さんと一緒にそっちへ飛んで帰ってるって、知らないんですか」

笹川久志は眉をひそめる。

「で?」

「これでも必死に頑張ってるんですよ。大事なお客さんの接待が終わったら、すぐ九星市に飛びますから」城海斗は再び鈴木莉緒に視線を戻す。「姉さん、俺に会いたかった?」

鈴木莉緒は呆れたように笑う。

「ええ、会いたかったわ」

「俺も、すご...

ログインして続きを読む