第68章 夜、これが好き

その「いいね」に、鈴木莉緒はしばらく呆然とした。

彼が見たら、きっと皮肉の一つや二つは言われるだろう、あるいは白石知世をなだめるために削除しろと言われるだろうと思っていた。

とても意外だった。

彼がつけたこの「いいね」、白石知世にも見えるはずだ。

鈴木莉緒は、森遥人が一体何を考えているのか、さっぱりわからなかった。

彼は白石知世に果たして感情があるのだろうか?

ないのなら、なぜあんなにもあっさり呼び出されて行くのか。

あるのなら、なぜこの「いいね」を押すのか?

森遥人の行動は、鈴木莉緒を混乱させた。

でも、彼女は思った。白石知世は今夜、眠れないだろうな、と...

ログインして続きを読む