第73章 冷たい水でシャワーを浴びる?

昨夜の件について、森遥人には返す言葉もなかった。

一線を越えそうになったのは事実だし、もう少しで理性を失うところだったのも事実だ。

「森遥人、私を好きだったり、私の身体を好きだったりするのは普通のことだよ。認めたって別にいいじゃない」鈴木莉緒は森遥人をからかうのが好きだった。彼の反応はまるで、男女の機微を知らない青二才のようで、とても面白い。

信号が青に変わる。

森遥人は淡々と言った。「君は、好きでもない相手に、そんなに平気でいられるのか?」

彼が聞きたかったのは、彼女が感情のない相手と寝られるのか、ということだった。

「何言ってるの」鈴木莉緒はフンと鼻を鳴らす。「あなたのことは好...

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