第77章 ずっと君を想っている

平手打ちを食らった鈴木莉緒は、外に出る時、顔をこわばらせていた。

彼女は小野真人とその母親がどんな言い争いをしようと気にしなかった。どうでもいいことだ。

以前、浅野静香は小野真人がすでに事業で成功しており、自分で物事を決められるようになったと言っていた。

事実は、小野真人はああいう両親を持っている限り、決められるはずのことも決められない。それは彼の年齢や事業の成功とは何の関係もなかった。

彼女は自分が十分に冷静で、かつての情や現在の小野真人の優秀さに惑わされなかったことを幸運に思った。

かつて一緒になれなかった人間が、今になって一緒になれるとは限らない。

鈴木莉緒は足が不自由なため...

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