第6章

カメラの液晶画面に映る写真に、私は怒りで手を震わせながら見入っていた。そこには、二次崩落が起きるわずか数時間前に、鉱山会社の役員から書類を受け取っている伊織の姿が、はっきりと写っていた。

「これで証明できるわ、伊織は知っていた」私は悠真と天音に画像を見せつけた。「あの坑道を爆破するつもりだったってことを」

悠真は写真を拡大し、伊織と話している男を食い入るように見つめた。「こいつは森本大地。桜原鉱業の事業部長だ。こいつが直々に書類の受け渡しをしているってことは、完全にトップまで絡んでるぞ」

「写真一枚じゃ不十分よ」天音は現実的に言った。「企業の弁護士なら、ただの偶然だとか、安全説明を...

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