第119章

朝、リビングへ向かうと、そこにはすでに翔太の姿があった。彼はダイニングテーブルに腰掛け、歩美が用意した朝食を口に運んでいる。

ふと、彼は私を見上げて言った。

「歩美の飯は、やっぱり鈴木さんに比べると落ちるな。ねえ、今度『仁和市』に戻らないか? 子供たちや鈴木さんたちを呼び戻そうよ」

聞き間違いでなければ、彼は今、『僕たち』と言った。

私は適当に言葉を濁す。

「今の仕事が一段落してからにしましょう。あなた、他の街へ行ってる暇なんてあるの?」

翔太は首を横に振った。

「ないよ。ここ数日は本当に忙しくて、海外の提携先との付き合いで手一杯だ」

私は彼に冷ややかな視線を投げかける。

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