第123章

私は歩美に目配せをして、周囲を警戒するように合図を送った。それと同時に、陽菜ちゃんを連れて少し席を外してほしいという意図を伝える。

私の意図を即座に汲み取った歩美は、陽菜ちゃんに手を差し伸べた。

「お嬢ちゃん、おばさんとあっちで遊ぼうか?」

陽菜ちゃんは少し恥ずかしそうに頷くと、歩美の手を握って遊びに行ってしまった。

私と望はソファーに腰を下ろした。彼が何か言い淀んでいるような気配を感じ取っていたが、先ほどまでは陽菜ちゃんがいたため、あえて触れずにいたのだ。

私は望の顔を見つめ、静かに切り出した。

「義兄さん、お義姉さんはあまり帰ってこないんですか?」

望の表情が一瞬凍りついた...

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