第131章

翔太はもともと臆病な性分だ。そんな光景を目の当たりにして、肝を冷やすどころか、魂まで飛び出るほどの恐怖を味わったのだろう。

「うわあああっ!」

 と、素っ頓狂な悲鳴を上げた。

「母さん、幽霊だ、幽霊が出たぞ!」

 蘭の顔色も最悪だった。頬をこわばらせ、健の遺影を凝視している。

「健……帰ってきたのかい?」

 炎に照らされ赤く染まった写真の中で、健の姿がゆらりと前後に揺れた気がした。まるで、蘭の言葉に応えているかのように。

 それを見た翔太はさらに怯え、短い悲鳴を上げて蘭の背後に隠れる。

 蘭はそんな息子の情けない姿を一瞥し、再び写真に向き直って言った。

「健、恨みには恨みを...

ログインして続きを読む