第143章

蓮が去った後、食事会はほどなくしてお開きとなった。大島社長に別れを告げ、私と歩美、そして翔太は帰路についた。

家に着くやいなや、翔太は書斎へと姿を消した。誰からの電話だろうか? 一方、歩美はこちらの様子を窺うと、私を部屋の隅へと引っ張っていった。

栄久がついて来ていないことを確認し、彼女は声を潜めて言った。

「由依さん、蘭が大変なことになったわ」

私は一瞬呆気にとられ、信じられないという顔で彼女を見つめ返した。

「蘭が?  一体何があったの?」

歩美は携帯を取り出し、動画を再生した。画面の中では、蘭がストレッチャーに乗せられ、ICUの病室へと運び込まれていく様子が映し出されている...

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